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待ち遠しい春

.18 2012 シニア日記 comment(2) trackback(0)
(遅い春です)

120316風景

(3月も半ばだというのに、桜の蕾はまだ固く、暖かい春の日差しをじっと待っている様子です)


前回の記事で取り上げた5人は、はからずも、原発再稼働の是非を決めるキーパーソンでした。
言ってみれば芝居を演ずる主役たちです。芝居の脚本は経産省のエネルギー庁で、プロジューサー(スポンサー)は原子力ムラといったところでしょうか。

お芝居の筋書きは、もちろん原発再稼働となり、原発も次々と動き出し、地元も経済界も、そして誰よりも原発を飯の種にしている原子力関係者たちがハッピー、ハッピーと喜ぶという結末です。

いつも同じような筋書き



(例年ならとっくに花が落ちている梅も、ここ羽根木公園では今をさかりと咲き誇っています)

120316花-5


新聞報道によるとお芝居は再稼働へ向けて着々と進行しているようです。

政府は13日、定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を認める手続きに入った。経済産業省原子力安全・保安院が「妥当」と判断した安全評価(ストレステスト)の1次評価結果を内閣府原子力安全委員会(班目春樹委員長)が了承する見通しになったため。野田佳彦首相らは政府の統一見解として安全を確認した後、再稼働に向けた地元への説明を開始し、地元の理解が得られれば再稼働を最終決断する。(後略)(毎日新聞 3/14)

この報道の表現によると、正しく計算された結果であると言っているだけで、計算結果が原発再稼働の安全性を確認したとは受け取れません。斑目委員長は「ストレステストの1次評価だけでは安全性の確認には不十分だ」といっているのですから、政府は一体全体どうして安全を確認したと言うことができるのしょうかね?

無理が通れば



一方で政府は経産省の筋書きに従って、説得する地元の範囲を出来るだけ狭くして、反対意見を抑え込もうとしています。

 政府は16日、定期検査で運転停止中の原子力発電所の再稼働の手続きで、事前に説明して合意を得る地方自治体の範囲を、原則として原発から半径10キロメートル圏内とする方針を固めた。範囲を30キロメートル圏に広げるよう求めている一部の自治体は反発している。(後略)(日経 3/17)

原発事故が起きたら半径10キロメートルの範囲で収まらない可能性があるのに、「国民の安全と健康を守る」なんてことは二の次と考えているのでしょう。


(梅は満開の時よりも蕾が残っているくらいの時がいいね、とおかーさんが言います)

120316花-7


(ボクも同感です)


120316花-6




原発の再稼働については、二つの点で疑問が残ります。

ひとつは安全性、もうひとつは地元の範囲です。

先ずひとつめの安全性について、

100%安全な原発はありません。

設計上安全性を高めることは出来ます。地震や津波に対する安全性としては、想定される揺れの強さ(ガル)や津波の高さに対して何倍の強度があるかという安全率が設定されています。

ウィキペディアによると、原子炉圧力容器の設計に際して、その機械的な面での安全率は3倍となっています。
この3倍というのがそもそも充分なのかという疑問もあります(たとえば、人の生死に関連する事態に繋がるエレベータの命の綱、ロープの安全率は 10以上だということです)。

先ごろ原子力安全・保安院によりストレステストの1次評価が妥当と判断された福井県の美浜原発は、東京電力福島第1原発事故を踏まえた緊急安全対策により、想定する基準地震動の750ガルに対して1320ガル相当まで、津波は想定高の2・37メートルに対して11・1メートルまで炉心冷却が維持できるとなっています。

また同時に関電は「大飯3、4号機とほぼ同等の結果が得られた。安全上重要な施設・機器などは、安全裕度を十分有している」と言っています。


地震の揺れに対しての安全率は美浜原発では1.76に過ぎません。津波に対しては4.68ですから一見大丈夫そうです。ところが、想定基準というのが曲者で、これをを低くすれば安全率はいくらでも高くできます。
たとえば、美浜原発の基準地震動750ガルというのは震度6弱に相当します。1320ガルは震度6強の範囲に入ります。

(注)震度とガルの関係は、「建設省地震計ネットワーク」によると、

震度5強 240~ 520 ガル程度
震度6弱 520~ 830 ガル程度
震度6強 830~1,500 ガル程度
震度7 1,500~    ガル程度

果たして原発立地では震度6強以上の地震は想定しなくて大丈夫なのでしょうか? 「想定外」と言い訳はもはや通用しません。

津波の高さにしたって、想定高の2・37メートルというのは甚だ低い想定です。

京都の神社に伝わる「兼見卿記(かねみきょうき)」という文書に、天正13年(西暦1586年)に起きた「天正大地震」で、若狭湾を含む沿岸で津波が起こり、家が流され、多くの人が死亡したという記録があります。

また当時、日本に来ていたポルトガルの宣教師、ルイス・フロイスが書いた「日本史」の中でも、同じ天正大地震の記述として、若狭湾とみられる場所で「山と思われるほど大きな波に覆われ、引き際に家屋も男女もさらっていってしまった」と記されています。

10メートル以上の津波は若狭湾には押し寄せないのでしょうか?


さらに、心配なのはストレステストというのは設計上の強度を計算したものだということです。

設計通り作られないこともあり得ます。人間が作るのですから、ミスということもあります。原発専門技術者が現場作業してもミスは防げないでしょうし、実際には、原発にはシロウトの出稼ぎ労働者が建設・修理に当たっているから、ミスは日常茶飯事なのだそうです。(「原発がどんなものか知ってほしい(全) 平井憲夫」参照

現実に地震や津波が来てみないと、壊れるのか壊れないのか分からないというのが、原発の実態なのではないでしょうか?

保安院も安全委員会も、評価結果は妥当だとか審査方法は妥当だとか言うだけで、原発の安全性が確かめられたとは言いません。もっとも、彼らがそう言ったところで、今更信ずる気にはなりませんが・・・。

120316花-4





もうひとつの疑問は地元の範囲です。

従来は原発の迷惑料みたいな形で交付金や寄付金をばらまいた地区を地元として扱ってきましたが、原発事故がこれほど広い範囲で影響を及ぼしているのに、原発から半径10キロ圏内で了解すれば良しとするというのは、どう考えても納得できません。何が何でも再稼働を早急に決めたいという焦りが、こういう形で表れるのでしょう。
原発事故の影響の広がりを考えれば、半径30キロ圏内でも足りない、100キロを超えたお茶畑まで汚染され出荷停止になるほどですから、これはもう国民全体が判断に加わらなければ再稼働なんかしてはいけませんね。


これまで国策として官民一体となって進めて来た原発ですから、ここで180度方針を転換して脱原発ということになれば多方面にわたって軋轢が生じるのは当然でしょう。
しかし、最悪の場合1000万人以上の避難もあり得た福島原発事故で分かったように、地震多発地域である日本、この狭い国土で原発事故がもたらす被害は余りにも大きく、リスクも高すぎます。
原発がなくなる不便さ、不利益を乗り越える決断を今しなければ、取り返しのつかない将来を背負い込むことになるのではないのでしょうか?


「今小なる執着を捨てて忍苦百年の覚悟に生き、国の根幹と国民を守らざれば、遂(つい)に何者をも喪う日に到らざるなきや真に憂慮に堪えず」
(戦後、朝日新聞の論説主幹をつとめた笠信太郎が、終戦直前の昭和20年7月、当時の緒方竹虎内閣顧問に対して、すみやかに戦争を終わるべきだと海外から送った電報です)

120316花-10

春が待ち遠しい日本です。

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相子
全て同感です。原発反対は女性が圧倒的に多いのです。それに比べて男性は原発可の方が可なりあるとニュースで見ました。そういう男性にとって命より大事なものって何でしょうね。
女性は物ごとを総合的に判断出来ないと思われている面がありますね。ですが女性は守りに敏感です。
選挙があるならば女性はこぞって原発反対の立場に立つ人に投票をすべきだと思っております。このところ急速におかしくなって来ていますね。
地元とは全国ですよ。
2012.03.18 17:03
ココパパ
相子さんへ

男はアタマで論理的に考え、女は本能で直覚的に物事を把握する傾向があるようですね。男は屁理屈をこねて自分の考えを正当化しようとし、女は「イヤダといったら絶対イヤ」となるわけです。
原発の是非についての判断は、女性群に軍配が上がるでしょう。男はもっともらしい主張(屁理屈なんですけど)に洗脳されやすいのです。
どんなに困難な状況になっても、必死になって立ち向かえば、その困難は克服できると信じています。今はまだ、その必死になる気持ちが十分でないということなんでしょうね、男の方では。
2012.03.18 22:40

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