1月21日(木)
健康診断で近くのSクリニックへ採血に行く。

S先生はアメリカ帰りで、最新の医学情報にも常に目を配り、患者の診察も手早く、立て板に水の如く診立てをしてくれる。
レントゲンやエコー検査をする設備も整っている。これで待合室の椅子をマッサージチェアにしてくれれば文句ないところだ。

当然、看護婦さんや事務の女性も要領よく仕事をこなす。事前に書き込む質問票も素早くチェックし、抜けてるところを見つけてくれる。
「世の中のために自分は役に立っているとは思わない」にハイ、かイイエ、どちらですか?
そうだ、この質問はずっと考えていて未だに答えを決めかねていたのだ。この際恥を忍んで、正直に「ハイ」と答える。

採血の順番で名前を呼ばれる。看護婦さんは、「ちょっとチクリとしますよ~」といいながら、
チクリ!
「ちょっと~、針、太いんとちゃう?」と思わず叫びたくなったが、がまんする。
血管に入れた針から血をグビ~と抜き取って行く。
「気分悪くないですか~?」と看護婦さん。口調も表情も優しいが、血を抜く手は容赦ない。グイ、グイ、と注射器に血が引っ張りこまれる。
犯罪捜査なら現場に残された血痕からでもDNAまで分かるのに、なぜそんなに大量に血液が必要なのか? 余った血を蚊の餌になんかしたら承知しないからな。
貧血を起こすのではないかと恐れたが、「大丈夫です」と答える。なぜこんな時に見栄を張るのか自分でもよく分からない。
針を刺した跡にガーゼをかぶせ止血用のゴムバンドで固定し、2分半のタイマーをかけて、看護婦さんは他の用事でどこかへ行ってしまう。タイマーがなると、さっとどこかから現われて、バンドをはずしガーゼを取り除き、止血用の絆創膏を貼ってオシマイ。
一週間後にS先生の内診を受けて、診断してもらう。
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