2007年11月27日(火)
おとうさんは「秋の日のヴィヨロンの、ためいきの身にしみて、ひたぶるにうら悲し」なんてガラにもないことを口ずさんで、物思いにふけっている様子。どうやら深まる秋に自分の人生を重ね合わせているみたいです。

(そーゆーおとうさんを見つめるアタシ)
しばらくすると、「久しぶりに羽根木公園まで紅葉でも見に行くか」とおかあさんを散歩に誘っています。
アタシも当然、連れてって連れてっての大ハシャギでアピールして一緒に連れていってもらいました。
と言っても、アタシは歩けないので、相変わらずキャリーバッグの中です。

羽根木公園では銀杏は黄金色にはまだまだ程遠く、

他の木々がようやく紅葉し始めたというところです。


中には、すでに葉をわずかに残すだけの大木もありました。

この芸術ともいえる自然を見ても、おとうさんは、「てっぺんの方だけ落ちて、下はまだ残ってる。オレの頭と同じだな」などとつまらない感想をもらしただけです。
おとうさんに芸術性を求めるのは、ブタに木登りを求めるよりも無理な話です。
それより、秋はやっぱり食欲、食べるお話ですね。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」などと、犬は雑食という偏見が人間の仲間内ではまかり通っているようですが、アタシ達犬の世界では全く逆のことを言っています。
「人間は雑食」なんだって。

ほんとに人間というのは、犬のアタシ達にはとても食べられないようなものでも、何でも食べます。
ナマコだとか、サルの脳みそだとか、鶏の卵の半分孵化しかかったものとか・・・・
そうゆーものは、食べたければ勝手に食べても構わないけど、犬まで食べちゃいけません。アジアの一部ではアタシ達の仲間も人間様の餌食になってるそうですよ。

アタシ達は人間を咬むことはあっても、食することはないのです。
人間はありとあらゆる地上の生物を、直接的間接的に、自分の胃袋の中に納めているんじゃないでしょうか?
人間にはもっと他の生物に感謝しろって言いたいです。
これだけ何でも食べる人間がですよ、「犬も食わない」なんて犬を雑食呼ばわりするのは、犬を代表して断固抗議したいところです。
そこへゆくとアタシの食生活なんか、慎ましいこと、人間に比べたら清貧の極みです。
普段は鶏のムネ肉が主食です。

サッと茹でたのを油で炒めてもらいます。これはオリーブ油の方がいいけど、普通のサラダ油でも我慢できます。

鶏は比内地鶏(本物の)なんかでなくて錦鶏の更に下、神那どりで結構。でも、毎日では飽きてしまうので、牛肉、たとえば黒毛和牛のローストなんかをたまに入れてくれれば十分。
お昼は麺類ならなんでも、
ラーメン、焼きそば、そうめん、日本そば、うどん、きしめん、スパゲッティ何でもござれです。

まあ、好みとしてはスパゲッティでも細めのカッペリーニをオリーブ油でからめる程度に炒めていただければ、文句はございません。
おやつ代わりにお医者様がくれたカルシュウムのサプリメントクッキーだって、食べろと言われれば食べます。

「マテ」と言われれば

そりゃー、待ったっていいですよ。
笑えと言われれば

笑いもします。
お手と言われれば

まあ、手だって出します。
あんまり無精にすると、
「ちゃんとお手!」とおとうさんに叱られたりもします。

こうゆーときは、サッと反応。
気が向けば野菜はトマトやブロッコリー、果物ならリンゴとか柿くらいなら食べます。あくまで、気が向けばです。
アタシが小食なのは、「犬は雑食」という誤解に対する抗議でもあるのです。なーんちゃって、単なる偏食です。
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